小千谷の社会保険労務士

労働社会保険手続、就業規則等整備、給与計算、助成金申請、各種許認可、内容証明…

社労士受験後記 Ⅰ

 単年度(初年度)勝負が鉄則

社労士試験は1年度1回行われます。試験範囲とされる労働法や社会保険・労働保険諸法令は、ほぼ毎年何らかの改正があります。大きな改正から、小さな改正までさまざまです(社労士試験に限らないが・・・)。資格勉強が不幸にも多年度わたってしまうと法改正により前年度に勉強したことが無駄になる、というだけではないやっかいな問題がでてきます。

初年度に勉強した改正前の暗記項目と次年度の改正後の暗記項目が、頭の中で混ざってくるのです。社労士試験の範囲とされる国民年金法や厚生年金保険法は、似ているが違うところ(?)が多くあり、単年度(初年度)の勉強においてさえも混同しがちなのですが、これが多年度に受験勉強がつづき百般の改正がされると、もうわけが分からない状態になってしまう(と思います)。また、試験範囲に「労働白書」という社会情勢を問われるものがあるが、これも同様に多年度に受験勉強が続くとやっかいです。

大学受験においては、2年間勉強している浪人生にアドバンテージがありますが、法律を扱う資格受験に多年度に渡って勉強している人にアドバンテージがあるかといえば、そうとは言い切れません。
 法改正前と改正後の試験範囲の整理は、多年度に渡って資格受験の勉強をしているというアドバンテージを消してしまうほどやっかいなものです。 だから、資格試験の勉強に手をつけた初年度で合格する、という意気込みが思っている以上に重要になってきます。最初から、複数年かけて合格を目指そうとすると、途中であきらめてしまう傾向があるように思います。逆にいうと、社労士試験は1年で受かることのできる試験なのです。
 「社労士の勉強をしたことがある」という人は意外と多いものです。行政書士試験とは違って、社労士試験の内容が日常の業務に直結するからですが、そうした話を聞いていると「1年で合格するぞ!」という思いがない(なかった)人がほとんどです…。

独学で社労士試験に挑もうとしている人、挑んでいる人にとっては、法改正情報は見落としがちです。しかも、それは致命傷になりかねません。テキストは、すべて買い替えるくらいの気持ちで最新刊のものを使用するのはもちろんですが、日頃から新聞・テレビ等に接することが大切だと思います。


現在、社労士の業務を行っていても、諸法令の改正前と改正後の整理は必須ですが、資格受験勉強のそれとは少し気色がちがいます。
 資格のための勉強をしているときは、「とにかく法改正情報を見逃さない」という取り組み方でしたが、現在は「誠実に業務に取り組む(成果を上げる)」という目的を達成することに一生懸命になっているうちにいつの間にか「法改正情報を把握している」という状態なのです。極端にいえば、知らず知らずのうちに改正情報は身に付いているというわけです。

*とはいっても、オートマチックに法改正情報が手元に集まってくるシステムの構築は必要ですけどね…。