詳解 未払賃金立替払制度
未払賃金立替払制度の対象となる倒産とは
未払賃金立替払制度の対象となる倒産とは次の場合をいいます。
(1)法律上の倒産
破産法に基づく破産手続きの開始、会社法に基づく特別清算の開始、民事再生法に基づく再生手続きの開始又は会社更生法に基づく更生手続きの開始について裁判所の決定又は命令があった場合
(2)中小企業における事実上の倒産
事業活動に著しい支障が生じたことにより、労働者に賃金を支払えない状態になったことについて労働基準監督署長の認定があった場合
具体的には、①事業活動が停止し、②再開する見込みがなく、③賃金支払い能力がない状態になったことを言います。
※やはり、ポイントとなるのは(2)だと思います。(1)の場合だとまず間違いなく法律の専門家が関わっていますので、必要があるなら未払賃金立替払制度を利用するはずです。(1)の場合は法律の専門家が関わっていないケースがあり得ますので、未払賃金があっても「倒産じゃしょうがない」とあきらめることがあるかもしれません。
※上記(1)(2)に当てはまらない場合
①(事実上の倒産と認められない状態で)経営を続けているような場合
②会社に十分な資金がある場合
③在職のまま未払賃金を請求するような場合
などは別の問題(通常の不払い賃金の問題)となります。
原則、この制度の対象となるのは中小企業ですが、(1)にかかるような場合は大企業でも対象となります。
【中小企業の範囲】
資本の額又は出資の総額 | 常時使用する労働者数 | |
一般産業(卸売業、サービス業、小売業を除く) | 3億円以下の法人 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下の法人 | 100人以下 |
サービス業 | 5千万円以下の法人 | 100人以下 |
小売業 | 5千万円以下の法人 | 50人以下 |